インタフェースデザインの心理学

Susan Weinschenk、武舎 広幸 ほか訳、2012年、オーム社
インタフェースデザインの心理学

2章 人はどう読むのか
30、サッカード(跳躍運動)と固視・停留
43、長い行の方が早く読めるが、短い行の方が好まれる

3章 人はどう記憶するのか
49-51、同時に覚えられるのは4個、チャンク(グループ化)例:電話番号を712-569-4532のようにチャンク3つを覚える。1つのチャンクに入れる項目は4つ
52、覚える=短期記憶から長期記憶へ、繰り返しとスキーマ
54、想起より認識の方が簡単
59、記憶は再構築され修正される

4章 人はどう考えるのか
67、段階的開示(クリック回数は問題ではない)
70、ヒューマンファクターでの負荷 心的資源の消耗は、認知>視覚>運動
71、フィッツの法則 ボタンの適切な大きさを決める科学的基準
74、人がネットサーフィンを好むのは散漫な行動ができるから
78-79、「メンタルモデル」瞬時に構築され実際のデバイスを使う前に作られる。類似の体験、想定、伝聞、個人差
84、「物語」には説得力がある
85-86、因果関係を当てはめる(殴られたとは明示していないのに、あざができた=殴られたと考える)、物語は「因果関係の飛躍」を起こさせる

117、注意力の持続は7-10分
129、信号検出理論

6章 人はどうすればやる気になるか
132、目標勾配効果
133、目標に近づくほど目標達成しようという気が強くなる
134、報酬後初期化=報酬を獲得した直後が顧客が離れていく危険が高い
151、満足遅延耐性は就学前に

7章 人は社会的な動物である
168、ダンパー数は150人(誰もが全員を知ってて皆が近くにいる強くて安定した関係の社会集団は150人)
171、ミラーニューロンの発火=他人の行為を見て自分も同じ行為をしているようにそのニューロンが発火する
176-178、オンラインと実社会は同じ、親しくもないのに立ち入る、笑顔で話しかけてるのに目を合わせない、個人情報を聞いてくるのが早すぎる、立ち去ろうとしたら言い訳をして引き留められる、などが無いように作る
181、嘘をつくのは 電話>メール>手書きメモ・他者を否定的にみるのは手書きよりメール
183-184、親戚や友人など「親しい」人とのコミュニケーションは、共通点が少なくても内側前頭前皮質(MPFC)が活性化する。MPFC=価値判断、社会的行動をつかさどる
185、「笑い」無意識・他者といる時一人の30倍・伝染・生後4か月から・冗談やユーモアの笑いは20%・分の途中で笑わない、最後で笑う・話し手は聞き手の2倍・女性は男性の2倍・社会的地位が高くなると笑わなくなる

8章 人はどう感じるのか
190、7つの基本的感情は万国共通・喜び・悲しみ・軽蔑・恐れ・嫌悪・驚き・怒り
192、感情が表情を作るのではなく、(顔の)筋肉の動きが感情を呼び起こす
194、データより「物語」の方が説得力がある。聞き手の共感、感情に訴える、記憶中枢への働きかけ
202、牧歌的な風景―・丘・水・木々(身を隠す)・鳥・動物・遠くへと続く道(保護してくれるもの、水、食料がある)
204、信頼できる/できない、はデザイン・色・フォント(サイズ)・レイアウト・ナビゲーション・サイト名称。
「信用できない」判断は早い。まず信頼できないものを拒絶し、残った中から信頼すべきか検討する。
207、達成が難しいと愛着を感じる。加入が難しい団体ほど愛着を感じる。「認知的不協和」を和らげるため。希少性のため。サロンやコミュニティでも言えるかも。
211、悲しみや不安のときはなじみのものを買う。(既知のものを選ぶ=安全確保)違ったものを試してみたいのは幸せなとき。
212、ブランドが確立していない場合は楽しさや幸福感を伝える

9章 間違えない人間はいない
215、エラーメッセージ:・ユーザーが何をしたのか告げる・発生した問題を説明・修正方法を指示・受動態ではなく能動態、平易な言葉・例を示す

10章 人はどう決断するのか
231、決断は無意識のレベルで下されるが、自分の決断に対して合理的、論理的な理由を必要とする。(提示してあげる)
234、「ジャムの法則」(シーナ・アイエンガー『選択の科学』)=選択肢が多いと何も選ばなくなってしまう。
ジャム24種類のとき、60%立ち止まる、試食は数種類、立ち止まった3%が購入
ジャム6種類のとき、40%立ち止まる、試食は数種類、立ち止まった31%が購入
236、選択肢がある方を好む。自分の行動に影響力がある、決定権を握っていると思いたい。いったん提供した選択肢を取り上げると不満を抱く。
239、近親感を持った時の方が購買意欲は強くなる。お金(所有)より時間(体験)に関するメッセージが近親感を生む。
246、決断を下すとき他者に頼る傾向がある。=社会的証明。レビューや評価は効果的。評価やレビューを書いた人の情報が多いほど影響力が強い。
249、第三者効果=ほかの人は影響を受けるが自分はそうでもないと信じ込む現象。古い脳が「自分で自分がコントロールできている状態」を望む。
250-253、説明文と写真では変わらない。現物は優位。サンプルにはあまり効果はない。現物でもアクリルガラス越しだと現物ほどの効果はない。