織物

植村 和代、2014、法政大学出版局

第1章 人間特有の織物文化

大型獣の狩猟→毛皮 狩猟の幸運を祈る儀式 骨針 糸=動物の腱 作業分担 音声言語 大量良質のたんぱく質
紐衣(ちゅうい):腰(腹)に結ぶ帯=呪術要素
編み(網、カゴ)と組み(筵、草鞋) 組みから織りへ
スプラング
織物美 品位、品格 不自由さ、制約
権威を示す

第2章 古代の織物と織機

出土しているのは9000~8000年前の物 織物の発明新石器時代か? イラク ジャモル チャタル・ヒュユク
織機 綜絖の発明=経糸の一括操作
農業開始と犬、羊、山羊、牛、豚などの家畜化→羊や山羊の毛を紡いで糸
亜麻の栽培
衣服の役割 ・自然環境への適応・精神的意味
2500年前 中国 縦錦、羅→綜絖で制限を受ける以前 綜絖=量産化、効率化
経糸の張力:1.下に錘→錘機おもりばた(西アジア→ヨーロッパ) 2.地面に杭(インド・西アジア)→地機 3.人体を利用(東・東南アジア)→腰機
穴機:穴を掘って縁に腰掛け足で綜絖を操作→現代の高機の最初形
織りより前に紡績技術があり錘を使った
長江流域起源 河姆渡遺跡 稲作・高床式住居(家が狭い)→南下して東南アジアへ
5000年前 畑作牧畜民の東進=麦と織機の伝来→西アジアの綜絖を受け入れ

西アジア:羊毛は絡みやすいので平織りは不適、地機で経糸の張力が強い→緯地合い、経糸粗く緯糸で隠す、綴れ織
東アジア:多色高密度の経糸

第3章 幻の織物―倭文(しづ)―

ナラ林文化圏
縄文時代:漆を漉す、木の実のアク抜きに布を使用
アイヌ:ゴザ(トマ) 編み機=イテセニ 錘
新潟:アンギン編み「編衣」「阿弥衣」 編み機=コモヅチ、ケタ 錘
藁縄
バトウ帯

照葉樹文化圏 シイ、タブ、クス、ツバキ
水田稲作、長江下流の越の滅亡により伝播→弥生文化
畑作牧畜←→稲作魚撈
弥生前期麻織物絹織物が細密 大麻:中央アジア原産(縄文時代に渡来) 奈良時代になると苧麻が増える

古墳時代
縞織物(麻)
下池山古墳 「内行花文鏡付着の有機遺物の研究成果」仿製内行花文鏡の鏡袋の内側:縞模様=倭文(しどり)p106 茶色=くちなし、青=藍 毛織物や真綿も 漆塗りの箱には夾紵や羅

下池山古墳出土縞織物
ほとんど絹 茶縞のみ麻? 日本最古の島織物 黄、青、茶

倭文部
日本書紀:石上神宮の神宝を作る工人集団の一つ 14名
常陸の国:6名 長幡部(ながはたぶ)3名、絁(あしぎぬ)=神の調(みつぎ)を織る


呪術的文様 近世まで縞模様の衣服はない 技術的には高度 雅を尊ぶ美意識から外れる 縞は南方独特の衣服文様

班布
魏志倭人伝の「班布」は倭文か? 班は縦縞、斑は絣←中国には無い南方系の文様
卑弥呼:班布、倭錦 壹與:異文雑錦 を魏に献上

第4章 花織の源流

綾(本来西アジア)
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繻子
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織物技術は古代文明の成立期にすべて出そろっていた。縦錦、羅。
紀元後:絣、横錦や紗も縦錦や羅を変化させたもの。

沖縄の花織
1.緯浮花織(読谷村) 2.経浮花織(読谷村) 3.両面浮花織(首里、与那国島) 4.手花織(本島中部)

カンボジア、パイワン族(台湾)、
ナガランド(ミヤンマーとインドの境)、ネパール、ブータン、タイ族・ラオ族、アユタヤ貿易→沖縄花織につながる

第5章 大和機の系譜

伊勢神宮 神御衣祭(かんみそさい)
和妙(にぎたえ)神服織機殿神社(かんはとりはたどのじんじゃ)で織られる絹織物
荒妙(あらたえ)神麻続機殿神社(かんおみはたどのじんじゃ)でおわれる麻織物

奈良晒
室町末~江戸 奈良に麻織物産業=自給自足ではなく商品
15世紀初期 布座 苧座
織って晒して白くする「奈良曝(布)」「奈良漂布」とも。読み方は全部「ならさらし」

享保ころから衰退
【理由】
高級品で都市が市場。農村市場に対応していなかった
明治維新で武士階級という顧客を失う

明治以降
原料:苧麻から大麻へ 蚊帳や襖地へ

河内木綿
秦氏にはじまる機織り技術の伝統(武部善人説)
1704 大和川の付け替え→新田に綿が植えられる。田で稲と綿との隔年耕作
和泉や摂津にも
1858開国→輸入綿、綿布 1867欧式機械紡績所

大和絣
宝暦年間に御所で創始 昭和40年代まで

大和機 傾斜

第6章 近世日本の織機

西日本の大和機:ペルシア起源
 ロクロ方式だ経糸を上下に開く

東日本の絹機:インド・カンボジア起源