アラビアンナイトー文明の狭間に生まれた物語


西尾哲夫、岩波書店、2007年。

岩波新書1071

前嶋先生のは古いのでコチラをお勧め。

在アラビア語原典からの翻訳版としてよく知られているものには、ガラン、レイン、ペイン、バートン、マルドリュス版がある。(p.75)
エルマン・ゾータンベールによる写本の分類(pp.43-44)
1.ガラン以前の古いシリア系。不完全。
2.ガラン以降の比較的新しいエジプト系。ZER(ゾータンベールのエジプト系写本)
3.2.とは別のエジプト系。
さまざまな写本(p.48-53)
マイエ写本:~905夜まで。エジプト系。17世紀後半。エジプト総領事ベノワ・ド・マイエが購入。
マンチェスター大学ジョン・ライランズ図書館所蔵のカラー挿絵入り写本。16世紀前半。255夜~
ラッセル写本:シリア系写本から写したもの。ガラン以前の内容を含む。
カイセリ系写本:16世紀
チュービンゲン写本:283~542夜。15世紀初期。
マカン写本:アレキサンドリアのイギリス総領事ヘンリー・ソルトからターナー・マカン少佐に渡りカルカッタ第2版の底本に。所在不明。
ラインハルト写本:19世紀エジプトのドイツ副領事ラインハルトがエジプトからもたらした。
偽写本、シャヴィ写本、サッバーグ写本。(pp.53-58)
近代のアラビア語での印刷出版(pp.61-64)
カルカッタ第1版:2巻。1814-18。ラッセル写本から。
ブレスラウ版:ポーランドのハビヒトがブレスラウで出版。1~8巻1824-38、9巻~1842-43。ガラン写本、シャヴィ写本、サッバーグ写本の寄せ集め。幽霊写本であるチュニジア
プーラーク版:2巻1835。エジプトのムハンマド・アリーが開いた官立プーラーク印刷所で印刷。17世紀末~18世紀初のエジプト系写本群から。
カルカッタ第2版:1839-42。1001夜分。マカン写本を主として、近世以降のエジプト系写本、カルカッタ第1版、ブレスラウ版の話も含む。